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日本最古の医書とされている『医心方』

長崎県歯科医師会会史第一編

 日本最古の医書とされている『医心方』

 「医心方」を編纂した宮廷医丹波康頼は中国からの渡来人が祖といわれています。「医心方」は歯学史の上でも極めて貴重なものといわれ、風歯痛、齲歯痛、歯砕壊、歯動欲脱、歯黄黒などの歯病名が記述されています。また治療法には薬物の内服、膏薬の貼付、針刺し、小鉄片で灼く、灸法などが用いられています。中国の医書『諸病源候論』『千金方』などを参考にして著述されたものといわれています。わが国の医学史上で第一級史料とされ、その影響力は近世まで及んでいます。
 医心方の5巻目に記された歯科に関する項目は以下の通りです。
 緊脣生瘡、脣生核、脣里腫、兎欠、脣面(月春)、口舌生腫、口舌出血、欧血、吐血、唾血、口中爛痛、口吻瘡、口舌乾馬、口臭、張口不合、舌腫、重舌、懸雍、率長の口病、風歯痛、齲歯痛、歯砕痛、歯動欲脱、歯黄黒、歯敗臭、歯断腫、歯断間出血、歯牙痛、歯牙湧出、歯(歯介)、(歯介)歯