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保歯新論

長崎県歯科医師会会史第一編

保歯新論

 緒言には「わが師ヴァン・デンボルクの所説に基づき、トーマス氏比較解剖学、オーエン氏歯牙論、ガーレットソン氏口科全書、ヲーハア氏、ガプレイ氏歯病苦を参考抄訳した」と記し、さらに日本の歯科医療について「わが歯科医のごとき其術外科に属し、その学衛生に基づくもとより軽視すべきに非ず。然るに世に文を講究する老少きにより、身体の病苦は名伎、国手(すぐれた医師)を探りて医治を乞うといえども、口歯の疾患は之を尋常入歯師と称する者に委ねて、其の精粗利害を問わず……」と論じています。まだ歯科医師というものが出現したばかりであり、これを新しく社会的に認めさせようと意欲を示していることが注目されます。