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ラーゼスの歯科療法

アル・マンスールの書

 彼の著書である『アル・マンスールの書』は、歯の解剖を詳細に論じた最初の書物です。彼は、個々の歯だけではなく、下顎の運動形式も正確に認識していました。

ラーゼスの歯科療法

 1)口腔衛生を重視し、酸性食品の歯への悪影響を説き、歯口の清掃を重視しました。予防手段として歯磨剤を使用しました。
 2)齲蝕になった歯の治療には燻蒸消毒と熱した油を塗りつけ、乳香でできたものを充填しました。これは一種のセメント充填であり、永久充填の起源と言われています。
 3)動揺した歯の固定には収斂剤が効くと考えました。
 4)抜歯は最終的な手段として、やむをえない場合時だけ行いました。抜歯する場合、歯の周りにヒ素入り膏薬をすり込み抜歯しました。
 5)歯根膜炎には瀉血法、歯肉乱刺法、阿片・薔薇油・胡麻・蜂蜜塗布法などを行いました。